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【おすすめ本】春が少し苦手なあなたに美しい小説を。

最近とりわけ小説を読む時間が増えたのだけれど、そんな中でとても美しい小説に出会った。

『きらきらひかる/江國香織』

情緒不安定でアル中の笑子と、同性愛者で恋人のいる睦月の結婚。そんなふたりの結婚は、お互いの全てを受け入れてのことだった。

笑子と、睦月と、そして睦月の恋人の紺くんの3人の不思議な関係性から見えてくる、恋や友情のいろいろなかたち。

読み終わってそのまま2回目を読んでしまうくらい、なんだか美しくて心にすっと入ってくる小説だった。

季節の移り変わりや、ちょっとしたことで笑子ほどではないけれど気持ちがとても不安定になる私にとってとりわけ笑子の心の描写が印象に残った。

『5月になってからその傾向はますます強く、晴れて、風が匂うような美しい日はとりわけ、私は残酷になった。』

とても、共感して好きな節。江國さんの作品にはそういうフレーズがたくさん散りばめられてて、読むたびにうまく表現してくれるなあと思ってしまう。

情緒不安定な笑子に、優しく寄り添う睦月。作中で”脛に傷持つ者同士の結婚”と表現された2人の結婚。セックスのない、2人の結婚。それでも2人の間にはお互いを思いやる気持ちがあふれている。

笑子と、睦月と、紺くんと。3人は3人が幸せになるために、一人ずつ動き出していく。そんな、お話。

美しくて、不安定な気持ち、こういうのあるなあという共感があって、大好きな1冊。是非読んでみてほしい。